ビートルズ国内デビュー曲の謎⑦

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BS特番「ビートルズ・フェス」での岩瀬成子氏

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“「世界の果てのビートルズ」(日本編)”とも言える「オール・マイ・ラヴィング」


6月29日のビートルズ来日50周年記念日に何かしなければ・・。いろんな記念特番見ても、ほとんどが何か消化不良でしっくり来ない。記念日に対する個人的な重みと世の中の盛り上り方に感じるズレ。中学二年生だった50年前の自分自身を振り返ってみると、かつて経験したことのないワクワク感でテレビの前に釘付けになっていた記憶だけはハッキリとあります。でも考えてみたら、レコードも半年前に初めて買った「恋のアドバイス」以外にはたして10枚も持っていたのかどうか。そんな状態で「自分こそが世界で一番ビートルズの音楽を理解してる。」と思い込んでいたのですから、何ともめでたい限りです。当然LPはまだ買ってなくて(買えなくて)、新譜の「ペイパーバック・ライター」のB面「レイン」でポールのベースの巧みさを初めて意識したばかリの頃でした。25日に放送された3時間特番で初めて拝見した児童文学作家岩瀬成子さんには、“田舎の孤独なビートルズ少女(少年)”としての共感を以前から感じていました。「ビートルズは自分のことを(自分に向かって)歌っていると思った。」「ビートルズを理解しているのは自分だけだと思ってた。」岩瀬さんが「キャント・バイ・ミー・ラヴ」と「オール・マイ・ラヴィング」のドーナツ盤を棚から取り出すシーンを見て、その瞬間ある記念儀式を思い立ちました。そうだ、来日時に発売されてたシングル盤を中学生に戻って聴きなおしてみよう!






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記念儀式のシングル群

 さっそくレコード番号順に「プリーズ・プリーズ・ミー」から「ペイパーバック・ライター」まで針を落としてみることに。当然当時買ったものばかりではありません。高校生になると怒涛のLP時代に突入し(と言っても購入したビートルズのLPは3年間で9枚ほど)、“オデオン・シングル・コンプリート・コレクションも大学生になって中古で買ったものがかなり含まれています。改めてドーナツ盤を聞き直してみて、当時の熱量が目減りすることなくそのまま伝わって来て痛く感動。50年を経ても停滞したままの己の感性にただただあきれるばかり。


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「ひとりぼっちのあいつ」を解説する橋爪大三郎氏  

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「ラバー・ソウル」唯一のシングル・カット

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橋爪氏の「シー・ラヴズ・ユー」との出会い描写は大好きな一文

そうそう、「ヘルプ」と「ひとりぼっちのあいつ」は急遽依頼されたBS特番用に送っていて聴けなかったんです。「ヘルプ」は使われなかったけど、「ひとりぼっちのあいつ」は信頼に足るリアルタイマー橋爪大三郎氏のコメントの時に登場し、それはそれで名誉なことだったんですが・・。





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「抱きしめたい」370円盤の内側広告            「ビートルズ!」<EAS-70100>


 「抱きしめたい」は圧倒的でした。やはりこの曲には特別な何かがとりついている気がします(自分にとって)。宇宙観とでも言いましょうか。何かが降りてくる。私の持ってる「抱きしめたい」はセカンド・ジャケの370円盤。改めてよくよく見てみると、プレスマークは「E6T」で、ほぼ「ペイパーバック・ライター」と同時に買っていたんですね。そしてさらに、内側の「プリーズ~」第一弾広告を見てビックリ!!初回330円盤の内側広告に記載されていた330円の文字が消えていたのです。内側広告は初版をそのまま流用し、無頓着に“第一弾”の印刷が残されたままのジャケットだと勝手に思い込んでいたのですが・・・。急遽「抱きしめたい」をデビューとしたため印刷消去が間に合わなかったとされる内側広告ですが、実はデビューから2年以上経過した再販版の段階でも「プリーズ~」を第一弾として東芝は認識していたのです。この内側広告は、「68年度総目録」と歩調を合わせるかのように、最終的に68年のサード・ジャケで消されるまで実に4年間も印刷され続けていたのです。さらにこの「プリーズ~」デビュー東芝認識は、「70年度総目録」の記述を無視するかのように、「ビートルズ!」<東芝EMI EAS-70100>(76年)の解説で渋谷陽一氏にそのまま引き継がれることとなります。曰く、「日本で最初のビートルズのレコード、「プリーズ・プリーズ・ミー」が発売されたのは1964年、僕がそれを聞いたのは小学校6年生の頃。」




pops8_2016070610190139f.jpg              
 「ポップス」64年8月臨時増刊号       
 “レコード・ベスト・テン”の一位として書かれた高嶋氏の「抱きしめたい」解説は、“強烈なビート”“奇妙なるハーモニー”“旋律の美しさ”の3点を強調した、好感の持てるレヴューとなっています。



 週刊読売
 週刊読売」66年6月16日号 

  リアルタイマーに「抱きしめたい」=デビュー曲としての認識が薄いのは、単に「プリーズ~」のレコード番号が古いことや「抱きしめたい」の内側広告のせいだけではなく、高嶋氏の「抱きしめたい」繰り上げ発売が東芝全体に徹底していなかったのではないかと思われるのです。その真相について4月3日に開かれた「ビートルズと日本」トークショーに出席した際、質疑応答の時間的余裕があれば、「広島で『こいつ』という中古レコード店をしている菅田といいます。」と自己紹介し尋ねてみようと思っていたのですが、果たせませんでした。編集の美馬女史とは、労をねぎらうべく「I Wanna Hold Your Hand!」と声をかけ握手出来ましたが・・(さすがに「抱きしめたい!」では誤解受けますので)。話それました。スミマセン。そのトークの席上、高嶋氏がデビュー曲について、「僕に訊いてくれればすぐに分かるじゃない。『抱きしめたい』に決まってます。僕がやったんですよ。東芝と書いてあるが、会社は関係ない。全部僕なんだ。」と発言されてました。その勢いと東芝のスタンスに、いくらかズレが生じていたのではないかと・・。ブログ③で紹介した「抱きしめたい」をデビューとする「週刊読売」や「ポップス」の記事も高嶋氏が書かれているようですが、ディスコグラフィーなどは基本的に「プリーズ~」が最初に位置付けられていて、東芝からの資料提供との二重構造が見える気がするのです。
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