カウント・ベイシーの「ホールド・ミー・タイト」

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 最近カウント・ベイシー・オーケストラの『ベイシーズ・ビートル・バッグ』という紙ジャケCDを車で流してます。このアルバムはいわゆるビートルズのカヴァー集で、66年5月の録音ゆえに『ラバー・ソウル』までの曲がピック・アップされ、セレクション・曲順は以下の通りとなっています。


①ヘルプ
②キャント・バイ・ミー・ラヴ
③ミッシェル
④アイ・ワナ・ビー・ユア・マン
⑤ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット
⑥ア・ハード・デイズ・ナイト
⑦オール・マイ・ラヴィング
⑧イエスタデイ
⑨アンド・アイ・ラヴ・ハー
⑩ホールド・ミー・タイト
⑪シー・ラヴズ・ユー
⑫カンザス・シティ


選曲は中期のカヴァー集としてはまずまずオーソドックスな内容と言えますが、「アイ・ワナ・ビー・ユア・マン」「ホールド・ミー・タイト」といった小品もチョイスしてあって、黒人系ビッグ・バンドの小粋な遊び心のようなものも感じさせてくれます。「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」のスローでレイジーなアレンジはなかなかイカしてるだけに、是非とも曲名のクレジットはメリー・ウエルズのカヴァー邦題にならって「秘密を知りたくない?」にして欲しかったと思います。当然のことながら全編に軽快なスイング感が溢れていますが、マイナー系の曲での、いわゆるビートルズの醸し出す“せつなテイスト”のようなものは伝わってきません。ビッグ・バンド系のアレンジにはマイナー・コードを使用するという概念がないのかと思わせるほど。「ホールド・ミー・タイト」をチョイスしたセンスは勲章ものですが、このロックンロールのマイナー・コードが活きたアレンジになってません。うっかり聴き逃したのでしょうか?残念、無念、失念(このダジャレが言いたかっただけで、決してアレンジャーのチコ・オファリルをバカにしてるわけではありません)。



 岩浪洋三氏は解説で、“とくに「ヘルプ」「ミッシェル」「ア・ハード・デイズ・ナイト」「イエスタデイ」「アンド・アイ・ラヴ・ハー」「ホールド・ミー・タイト」などは、ロック・ファンだけでなく誰もが知ってるいるポップ・チューンといえるだろう。”と書かれています。えっ?そうですか??ビートルズの「ホールド・ミー・タイト」って、ロック・ファンでも知らない人多いんじゃないでしょうか。少なくとも、アルバムに収録された「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「オール・マイ・ラヴィング」「シー・ラヴズ・ユー」などと比べれば全然ポップ・チューンではありませんし、初期の“圧倒的にイケてる”曲群の中ではむしろイケてない部類に入る曲でしょう。



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 ちなみに日本で発売されたデビューから5枚目までのシングルは、「抱きしめたい」→「プリーズ・プリーズ・ミー」→「シー・ラヴズ・ユー」→「キャント・バイ・ミー・ラヴ」→「フロム・ミー・トゥー・ユー」です。
この5連発に人生おかしくならない方がおかしい!でしょう?
メロディアス、キャッチー&パワフル=ジニアス的な(?)構図での“イケてる曲”をピック・アップしてみるとやはり圧倒的に初期ですね。「ノー・リプライ」はイケてて、「ラヴ・ミー・ドゥ」はイケてない。「恋する二人」は圧倒的にイケてて、「ぼくが泣く」はイケてない。そういった基準で誤解を恐れず選別してみると、イケてる曲数は日本盤LPの発売順で並べてみるとこうなります。

①「ビートルズ!」8曲
②「NO.2!」6曲
③「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」8曲
④「ビートルズ‘65」5曲
⑤「NO.5」6曲
⑥「四人はアイドル」7曲
⑦「ラバー・ソウル」5曲
⑧「リボルバー」4曲
⑨「サージェント・ペパーズ~」3曲
⑩「マジカル・ミステリー・ツアー」3曲
⑪「ホワイト・アルバム」(2枚組)7曲
⑫「イエロー・サブマリン」3曲
⑬「アビイ・ロード」4曲
⑭「レット・イット・ビー」3曲

“イケてる”という表現に反感を買いそうな選別ではありますが、宮永正隆氏が名著「ビートルズ大学」で分類するところの「“血と汗と涙と感動”で音楽を語ったリ、音楽を素材にした自分語りをする世代」(当たってます)に属する人間の遠吠えと大目に見てやって下さい。ちなみに一番好きなアルバムは『ラバー・ソウル』です。要するにイケてりゃいいってもんでもないということですね。



 で、話は岩浪氏の“誰もが知ってるポップ・チューン”発言に戻りますが、単なる誤植が原因の可能性もあります。しっかりした推敲を怠ると往々にしてその手のミスが発生する裏事情も知っています。活字って残りますから怖いですね。このライナーの最後の方で、岩浪氏はビートルズのプロフィールを紹介されています。

“ビートルズは‘62年10月に「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビューし、「プリーズ・プリーズ・ミー」「ホールド・ミー・タイト」「シーラヴズ・ユー」などのヒットで人気グループとなり~”・・・“タイトに”拘ってるなあ。




あっ!分かった(今気づいた)。

「抱きしめたい(アイ・ウォナ・ホールド・ユア・ハンド)」との混乱ですよ、これは。きっと。









my house

 以前「ビートルズ少年登場!」で触れた坂口恭平君の小説が映画化するみたいです。「ビートルズ少年」ならぬ「20世紀少年」で名を馳せた堤幸彦監督の5年振りの新作「MY HOUSE」がそれ。震災以後“新政府初代総理大臣”を公言して活動中の彼を怪訝がる人も多いと思いますが、ジョンだって平和運動時にはベッド・インしたりニューヨーク市長にどんぐり(平和の象徴)をプレゼントしたりしてましたからね。昨年だったか、坂口君と居酒屋で会った時「僕にとってビートルズというのはほとんどジョンですから」と彼が言ったので、「もしジョンが生きてたらどう考えたかっていう発想はない?」って訊いたら、「僕はジョンではなく坂口恭平ですから」と言わんばかりの表情が自信に溢れていました。その天才的な発想力やエネルギッシュな行動力、アーティスティックかつグローバルな感性。そして人間臭さとデリカシーが交錯する日常。彼は嫌がるかもしれませんが、どうしても40年前のジョンを感じてしまいます。がんばれ、坂口君。

あのこえ
プロフィール

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 1952年広島県安芸津町生まれ。獅子座のAB型。ビートルズをたまにしか聴かないビートルズ・フリーク。
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